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  • Yuko Bourgogne Raisindor

『サンヴァンサン巡回祭』2022年はピュリニー・モンラッシェ村!

更新日:2022年6月7日



ブルゴーニュ中のワインの産地・約80村が持ち回りで行っている『サンヴァンサン祭り』。

本来は1月の最終週末(土・日)に行われる毎年の定例行事です。


今回はコロナ禍の影響で、初めて3月に順延。

そもそも昨年2021年に行われるはずだったものが今年に順延されたので、準備に携わっていた生産者や関係者たちも最後までドキドキだったと思います。


そんな人たちの努力に報いるかのように、当日はこれ以上ない晴天!

春の陽光に照らされて、3月19,20日の2日間で5万人の人出があり、私もぶらりと遊びに行ってきました。


冬真っ只中の寒いサンヴァンサン祭りのイメージが一転して、春の到来に浮足立つ人々の笑顔が印象的なお祭りとなりました。いつもとは違ったあったかい雰囲気。手作りの絵画などアートを取り入れた村の飾りつけも良かったです。


偉大な白ワインの産地ピュリニー・モンラッシェが開催地となるのは悠に31年ぶり。

ブルゴーニュ中から駆けつけた各村のワイン生産者救済組合が持ち寄ったサンヴァンサン像は、約90体も集まったそうです!


より詳しいリポートは観光局に投稿したブログを御覧ください ↓



レザンドールのブログでは主にアルバム形式で写真をアップしますね!


新しくできたグランクリュ・バタール・モンラッシェの門と満開のアーモンド。モンラッシェが有名な理由とは...。




ワイン生産者の守護神たちが、畑を行進!



長い長いサンヴァンサンの行列は、開催村のブラニー、ピュリニー、コルポーを通り、途中プルミエクリュ・カイユレを下ってグランクリュ・モンラッシェの前を歩きます。全行程7km。


救済組合の会長を務める他村の有名生産者たちの顔もちらほら見られ、夫々自分の村のサンヴァンサン像を担いで歩いていました。前回の開催地ジュヴレ・シャンベルタンから参加していた生産者にお話しをお聞きしたところ、道中振舞われる白ワインを6~7杯飲みながら歩いたそうです。でも『モンラッシェ』の畑の前を通った事には気付かなかったとおっしゃったので、少し意外に思い、改めて、"代々受け継がれた土"に根づいて生きている生産者というものは、その全神経を自分の村と畑に傾けて、他の村の畑の位置まではあまり気にしないんだなぁという印象を受け、ある意味感心してしまった私でした☆


一行はピュリニー・モンラッシェの村の中へ到着。















10時30分頃、村の中心の教会で生産者たちのミサが始まりました。本来は関係者以外立ち入り禁止ですが、下のアルバムで中を訪問していただけます。『巡回サンヴァンサン祭』をブルゴーニュの定例行事として発起したブルゴーニュ利き酒騎士団たちが、赤い衣装をまとって上席に臨場しています。





試飲カヴォーのオープン!限定版のロゴ入りグラスと非売の特別キュヴェ試飲チケット!



ミサの終了とともに、朝早くから集まったサンヴァンサン像は、「やれやれ一仕事終わった」とばかりに帰路にき始めます。それと同時にカヴォー(試飲スタンド)がオープン!人々が群がり始めます。

ルフレーヴ、カリオン、ソゼと言ったピュリニー屈指の生産者たちも、忙しそうにワインを訪問客に振舞っていました。


昔と違って個々のドメーヌのワインが飲めるわけではなく、村全体で協力し合って造った祭り用の非買のキュヴェが試飲に出されます。


所々で販売されている『試飲 KIT』は、6枚綴りの試飲チケット、順路やワインの説明が載った小冊子、お祭りのロゴ入りオリジナルグラス、グラス携帯用ポシェットがセットになって20ユーロ。


今回は8つのキュヴェ、ブルゴーニュ コート・ドール 赤と白 2018年、ピュリニー・モンラッシェ 2018年と2017年、ピュリニー・モンラッシェ プルミエクリュ 2018年、そしてミステリー・キュヴェ3種が提供されました。

村を代表して醸造やブレンドを引き受けたのは主にルフレーヴ(醸造長ピエール・ヴァンサン氏)、赤ワインはファゴ、プルミエクリュはコンテス・ド・チェリゼイ。2021年3月の私のオンライン・アカデミーに招聘した祭りの実行委員長ジャン=ミシェル・シャルトロン氏が、当時、私にこっそり教えてくれました(笑


約60の有志の生産者がこれら3つの醸造所にブドウやマストやワインを運び込み、2017年のヴィンテージから着々と準備を始めた力作の共同キュヴェです。




Feu, Eau, Terre, Air (火、水、土、空気)、4つのエレメントがテーマの村の飾りつけは全て手作り!



生産者たちの交友関係を思われる音楽バンドもたくさん来ていて、ワイン片手に3つの開催村を巡るべく「順路」を辿る人たちも、リラックスして、のんびりした春の散歩を味わっているようでした。


お腹が空いたらブルゴーニュ名物のエスカルゴやウフ・アン・ムーレット(ポーチドエッグの赤ワインソース)、他地方名物のアンドゥイエット、タルティフレット、白ワインにピッタリの蠣等々、チョイスに欠くことのない多彩な出店が軒並みです。子供たちには目の前で焼いてくれるアツアツのワッフルやクレープがあり、どれもそそられるものばかり♡



お祭り開催中はムルソーからシャニーまで県道が通行止めになっていたことから、交通手段はどちらかの鉄道駅から祭り用の臨時送迎バスを利用してアクセスするのが最適だったようです。


ところで...


春の陽気の中、有名ワイン産地で行われたサンヴァンサン巡回祭から帰宅して、すこし見返したくなった昔なつかしのサンヴァンサン祭のアルバム。


私がブルゴーニュに来て初めて参加したお祭りは、オート・コートのサンヴァンサン祭で、時を遡る事2006年1月。無名の産地&冬景色で、今回とのギャップが面白いです。



今では生産者が個人名を世界に馳せるようになり、『開催地の村のワインを広く伝えよう』という意識のもと生産者同士の協力や団結を求められる『巡回サンヴァンサン祭』の意義はだいぶ薄くなってしまったのかもしれません。


準備にとられる時間や、祭り用のキュヴェにするブドウの寄付が負担で、若い生産者たちの中には荷担しないという人も出てきています。


それでも、自然災害が続けば生産者同士で助け合う必要があり、そのために「サンヴァンサン救済組合」は存続し、その団結と伝統を維持するためにブルゴーニュ中のサンヴァンサンを一同に結集させるこの巡回祭が続いているのだと思います。


それに『お祭り』という名目のもと、ブルゴーニュに人が集まります!

畑・テロワールがワイン造りの要となっているブルゴーニュでは、現地に人々が足を運んで、その風景を、畑の環境を実際に目で見てワインを味わってもらう事がとても大切なんだと思います。


2023年のサンヴァンサン巡回祭はCouchey村にて開催予定。マルサネの赤、白、ロゼの3つのカラーのワインが楽しめそうです!




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