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  • Yuko Bourgogne Raisindor

『ドメーヌ・ミシェル・グロ』当主に直接聞く質問&回答オンラインMTG

更新日:2022年6月3日




『ドメーヌ・ミシェル・グロ』特集『当主に直接聞く質問&回答オンライン・ミーティング』は、5月23日、VELTRA社協賛にて無事開催されました。  


愛好家はもちろん、東京や長野のワイナリーの栽培醸造家、ソムリエさんたちも集まり、充実した質問が寄せられました。


オンライン開始直前に、先代ミシェル氏が従業員を引き連れて午後の畑仕事へ。

毎日1時30分に午後の仕事を開始するそうです。

老舗の裏方を垣間見た感じで、思わず信頼を寄せたくなる「仕事人」の活気。皆様にもお見せしたかったです!

貴重な時間を割いて一人ドメーヌに残ってくださったピエール氏とともに、オンライン対談開始。 まずはファンの方からのメッセージをお伝えし、質疑応答へ。





◆ 気候の温暖化で品質がグッと上がり、特に2018年のヴィンテージから注目を集めている『オート・コート』のワインについて、畑の位置や特徴、ミクロクリマ、土壌、醸造方法など。





◆オート・コート・ド・ニュイの4つのキュヴェの違い。


ラベルについても質問がありました!

『オー・ヴァロン』のラベルに鹿が描かれている理由:

この区画の直ぐ側に狩猟できる森林があり、畑で野ウサギや鹿を見かけることがあるからだそうです。因みに『フォンテーヌ・サン・マルタン』のラベルに描かれたオーク(樫)の木は、三角の形をした区画の頂点の辺りに実際に立っているそうです。





◆ 2019年1月1日に父ミシェルからドメーヌを継承し、新当主となったピエール氏が目指す今後の方向性。


◆ 2019年に初ヴィンテージをリリースしたジュヴレ・シャンベルタン ラ・プラティエールについて、入手の経緯や思惑。


◆ ドメーヌが手掛ける二つのヴォーヌ・ロマネのプルミエクリュ、『クロ・デ・レア』と『オー・ブリュレ』の違いについて。


◆ オーガニック栽培に対する考えや認証取得について。


◆ 同じファミリーであるグロ家の中で分かれた4つのドメーヌが、それぞれ求める味わいの違いや方向性について。互いの意見交換・支援について。


◆ ここ数年のヴィンテージのワインの特徴や気候条件。


2021年のブドウの成熟過程の観察日記もご紹介しました^^全部クロ・デ・レアです💛



◆ ピエール氏が意見交換をする他ドメーヌの仲間の生産者について、等々。



ラベルに纏わるお話★☆彡



1830年、それまで数人が分割所有していたこの畑を前所有者が纏めて独占所有。

それを機に壁が立てられ、初めて『クロ・デ・レア』(”クロ”は壁で囲われたの意)と呼ばれるようになります。


1860年、相続の問題で再び畑は売りに出され、グロ家が購入。以来150年以上もグロ家のモノポール畑、フラッグシップとなっています。


ラベルのデザインは畑を購入した当初のもので、当時、門の両脇に2本の大きな栗の木が立っていました。後にそれは桜の木に植え替えられラベルの風景が保たれましたが、2008年の嵐でその木も倒れ、現在はアーモンドの木が植えられています。


まだ赤ちゃんのアーモンドの木。実は未来を担うであろうピエール氏の長男ジュル君の誕生年(2020年)に植えられました。8代目当主の成長と共にこの木もすくすくと育ち、いつかきっとラベルの風景が戻ることでしょう。



最新ニュース💛


◆ルロワのような極限を行く栽培方法はとらないまでも、ドメーヌ・ミシェル・グロでもすでに95%は実質オーガニック栽培をしているとのこと。順調に行けば2021年のヴィンテージから、HVE(Haute Valeur Environnementale – niveau 3A)の認証を取得できるそうです。


HVE認証(フランス農業・食糧省による高環境価値認証)とは、自然環境の価値を理解し、環境を保護しながらブドウ栽培をする、将来を見据えた持続性のある農業を展開する生産者に与えられるもの。

ある意味商業的で直接的イメージの強い『ビオ』認証を狙うのではなく、根本的な考え方から入るこちらの認証取得を目指したのは、思慮深く一歩一歩を改善に向けるピエール氏らしい選択だなと思います。



◆ ニュイ・サン・ジョルジュ、ヴォーヌ・ロマネ、シャンボール、モレ・サン・ドニと造っているので、ジュヴレ・シャンベルタンまで範囲を広げてみても良いのではないかという考えから、2019年『ジュヴレ・シャンベルタン ラ・プラティエール』を初リリース。

ヴォーヌ・ロマネに根付く「ドメーヌ・ミシェル・グロが造るジュヴレ・シャンベルタン」は、ジュヴレの生産者が造るワインと比べて柔らかさと気品がありそうです。いつ解消しても良いというメモランダムつきで、ドメーヌ・ボーモンと互いの畑を交換して貸し合う事で始めたそうでうす。いつかやめてしまうかもしれないと思うと、かえって希少なワインに思えてきますね!私もぜひ飲んでみたいです。

◆ グロ家の親戚同士、4軒のドメーヌで管理権をローテーションさせている所有畑のうち、二つのグランクリュ『リシュブール』と『エシェゾー レ・ロアショス』が今年、ドメーヌ・ミシェル・グロに戻ってきたとのこと!リシュブールは過去にもジャンとミシェル親子が造っていたわけですが、2022年のカムバックが楽しみです!


ドメーヌの軌跡を物語る古いヴィンテージの保管庫にて。




全体としては質問をカテゴリー分けして構成した対談会だったため、少しアカデミックになりがちでしたが、ビジュアルで分かりやすいアプローチも提供できるよう制作しておいた取材ビデオもあります。オンラインで流せなかったものなどをテロップによる訳や説明をつけてFacebookに5月24日付で公開していています。ドメーヌもかなり協力してくださったので是非ご覧ください♡


次回はピュリニー・モンラッシェの『ドメーヌ・ジャック・カリオン』を訪れ、3つのプルミエクリュの違いや、グランクリュ・ビアンヴニュ・バタールモンラッシェなどについて生産者に語っていただく予定です。ご参加者の自由な視点からの質問も大募集しています!



夏以降のオンラインイベントの企画はなく、願わくば観光業の活気が戻るのを待ちたいところ。ベストを尽くして頑張ります!

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