今回で5回目の開催となりましたVELTRA社協賛オンライン生中継は、初夏のモノポール畑『クロ・デ・レア』とグランクリュ畑『クロ・ヴージョ グラン・モーペルチュイ』をドメーヌの新当主と訪れるプログラム。
今年の春はいつまでも寒い日が続いていたのに、一転して初夏が訪れたかと思わせる快晴。
気温23度(畑の中はたぶん27度くらい!)風速10kmと穏やかな中継日和。
とはいえ、生中継の回線苦難を打開できるか否かの、今回は言わば瀬戸際に立たされたオンライン...。
これで失敗したら、もう努力する意味は無い…引き際は潔くと少し思い詰めた気持ちもあり、前夜は眠れませんでした、、当日は一時間前から現地に入り、心配は高鳴る一方。身体も精神も直方体になったような気分...
でも、ご参加者の半数以上がリピーターの方であるという、その温かい支えに応えるべく、実況は始まりました。
そして、サポートデスクとの打ち合わせ通り、ビデオの混載はスムーズに流れていきました。無我夢中のうちになんとか無事に?中継終了...。
「今回が一番良かったです。」「ビデオも加わって内容が深くなりました。」等のメッセージをいただき、これまで難関が多かっただけに、心に染みた次第です。。
ヴォーヌ・ロマネの教会の2時の鐘の音を聞きながら、
地図でガイドルートをご説明。
本日のご参加者への御礼と、ガイドの自己紹介。いよいよ中継開始です。
青空の下、車通りも少なく、閑静な広場から歩き出し、この村の心臓となる畑へ...。「Rue du Temps Perdu」‘’失われた時‘’を先人が残した軌跡の時間を遡るかのように、ゆっくり進んでいきます。
クイズも織り交ぜながらロマネ・コンティの畑の歴史をご紹介した後、いざ、生産者との待ち合わせ場所『クロ・デ・レア』へ。
その間、皆様には予めご用意した観光ビデオをご覧いただきました。
ビデオ終了と同時に、ピエール・グロ氏登場!
ドメーヌのラベルに描かれた『クロ・デ・レアの門』にて。
まるで若き新当主がラベルの中に立っているようです。
クロ・デ・レアの畑の中で、7代目ピエール氏が当主になるまでの老舗の歴史、新当主の趣味に関するクイズ(トゥール・ダルジャン東京のソムリエさんが一発でご正解!)、老舗を継ぐ重責や野心、『クロ・デ・レア』のテロワールとワインの特徴、同じ村のもう一つのプルミエクリュ『オー・ブリュレ』との比較など、お寄せいただいた数々の質問を投げかけながら、丁寧に解説していただきました。
そして、醸造所とセラー訪問。
回線の通らない場所の訪問は予めビデオに収録し、ワイン造りや熟成に関わるポリシーについてご説明しました。
門の両脇に二本の桜の木が華やかに聳える、ドメーヌ創立当初から使われているラベルと同じ風景を再現すべく、昨年(2020年に)植えられたアーモンドの木は、偶然か否かピエール氏の息子さん(8代目になられるかもしれませんね!)の誕生年に植えられたもの。これから一緒に育っていき、また一つ、グロ家の歴史に新しいページが加えられるのでしょう。
残り時間も30分となり、中継の最終地点『クロ・ヴージョ』へ。
故ジャン・グロ氏が息子ミシェル氏の11歳の誕生日にプレゼントした『グラン・モーペルチュイ』の区画です。
移動中は、同じルートをピエール氏と辿った観光ビデオを投影しました。
畑では皆様とお話しながら和やかに乾杯し、日本のお客様がオンタイムで開けられているワインの感想をピエール氏にお伝えしたり、和食との相性を生産者がどう思われるか、オート・コートのワインの有望性や、地球の温暖化の影響・対策について等々お話しました。
畑で開けていただいたクロ・デ・レア2017年は、一瞬で余儀なくさっきの畑にタイムスリップさせられるような味わい。無意識なのに、グラスの中の香りをかいだだけで、その場所へ旅させてくれる...そんなワインでした。
「テロワールワイン」とはこういうものなのですね。
1860年から『唯一のクロ・デ・レアの造り手』として7代に渡って受け継がれているワインの造り。生産者自身このワインが大好きで、優しいお人柄が個性を理解しようとし、尊重し、それを飲み手に届けたいと願って止まない造り。まさにヴィニュロンは理解者で、テロワールに敬意を払い、ブドウ樹に「寄り添って」生きているのだなと実感しました...。
◆撮影後、ミシェル・グロ氏に合流し、中継中に畑の向こう側で働いていらっしゃる姿が小さく見えて話題にも上った、「クロ・デ・レアの若樹間の手作業の除草」について収録させていただきました。フェイスブックにビデオを載せていますので、ご興味のある方はハンドルネームYuko Choquetまでご申請ください。
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次回は、ムルソーのビオディナミの先駆者、ドメーヌ・ピエール・モレを訪れます。
夏のムルソーは、この辺りでは私が一番好きな景色。ズームでは望遠がきかないため、広大な景色をそのままお届けするのは難しいですが、ビデオ併用で工夫して、実際に体感しているイメージに近づけるよう試みたいと思います!生産者たちにとっては、自分たちがブドウ栽培を繰り広げている、その畑を取り巻く環境も、朝夕・春夏秋冬の景色も、鳥や虫たちの生息も、全てが彼等のワインの一部なんだと思います。
もしご都合がつけば是非。ブルゴーニュと日本で、1万kmを超えて皆様とオンタイムでお会いできるのを楽しみにしております。
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